紀州のお殿様のみかん

mikan-img-03前回に夏みかん(夏橙)のお話をいたしましたので、夏みかんから変異した和歌山ならではのおみかんのお話をいたします。
それは三宝柑(さんぼうかん)というおみかんです!
三宝柑は和名を「サンボウカン」と言い、ダイダイ区に属します。
ダイダイ区には良く知られているものに、夏みかん、橙(ダイダイ)、タンカン、日向夏(ひゅうがなつ)、春光柑(しゅんこうかん)などがあります。
この三宝柑の起源も興味深いものがあります!
伝承ですが、江戸時代文政年間(1818年~1829年)に紀州藩士野中氏の邸内にたった1本生えておりました。
大変珍しいので、その実を時の藩主徳川治宝候に三方(さんぼう:お供え物を乗せる台)に乗せて献上したところから三方(さんぼう)→三宝(さんぼう)→三宝柑となったようです。
「三宝」の意味は、仏教で最も尊敬すべき 三つのもので、すなわち、「仏・法・僧」とのことのようです。

ともかく、藩主徳川治宝候はいたくお気に召されて、そのたった1本の三宝柑の樹を和歌山城に移植されたようです。
それからと言うもの、三宝柑は城外持ち出し禁止となり一般には栽培されませんでした!時は明治に至り和歌山城にたった1本生えていた三宝柑の樹から紀州徳川藩士であった大江氏が「接ぎ木」を行いその「接ぎ木」から、和歌山県湯浅町の千川安松氏が一部を貰い受け、現在の栽培範囲に広がっています。
三宝柑は大変良い香りがいたします。
皮がちょっと厚いですが、手でさっくりと剥けます。
中の果肉は薄黄色で、上品な甘さと酸味が特徴です。
藩主徳川治宝候が余りの美味しさのため城外持ち出し禁止をしたのも、何となく分かるような気がします。
三宝柑は、和歌山では「春の訪れ」を彷彿させるみかんです。

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