二つの原生種が出会った

mikan-photo02■さらに、時間を追って来歴を見ていきましょう。

タンゴールはみかんとオレンジの交配種の総称です。
明治になり、海外からオレンジ類が導入され、日本の温州みかんとオレンジ類の交配が盛んに行われました。
この交配種をタンゴールと称しています。
タンゴール類で皆さんが良くご存じなものは、清見オレンジ、デコポンがあります。
清見オレンジは温州みかん宮川早生とアメリカのトロビタオレンジを交配して育成されました。

デコポンはこの清見オレンジと台湾からやって来たポンカンを交配して育成されています。
清見オレンジ、デコポンは現在、人気のかんきつで、それは温州みかんが持つ果汁の多さ、果肉の柔らかさとオレンジが持つ糖度の高さ、果皮、果肉の発色の良さを継承しているようです。

みかんよもやま話2でお話しましたように柑橘の原生種発生地は大きく2地域ありまして
●インド東部のヒマラヤ山麓からアッサムにかけての地域から
シトロン、ライム、レモン、ブンタン、ダイダイ、オレンジ、ポンカン等が発生して
●中国の四川省以東の揚子江流域以南と浙江省から広東省に至る沿岸地域から
ユズ、みかん類、きんかん、カラタチ が発生しました。

インド東部の地域からは概ね、オレンジ類が、アレキサンダー大王東征、中世の十字軍遠征によりヨーロッパの地中海沿岸地域にもたらされ、その後、アメリカにも渡りました。中国からはみかん類が遣隋使、遣唐使、学僧の交流、その他、交易により日本にもたらされ、独自の偶発実生が生まれ、日本固有の温州みかんが発生していました。

明治以降
アメリカ、ヨーロッパからオレンジ類が日本に持ち込まれ、温州みかんとオレンジ類がやっと出会ったのです。
2つの原生地固有の流れを引き継ぐ柑橘が出会うのにどれだけの年月を要したのでしようか………

おしまい。

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