みかん(カンキツ)の分類

日本ではいろいろな種類のみかん類(カンキツ)が出回っていますが、その分類、又それにまつわる由来を追いかけて行きますと 大変おもしろいことが見えてきます。
それで、カンキツの種類(分類)のお話です。
★ちょっと今回は退屈で、堅いお話ですが、我慢してお付き合い下さい!
 
◆分類には、【自然分類】と【人為分類】があります。
 
▼【自然分類】
これは、カンキツの発生に従って系統的に分類しています。
この分類を世界的に集大成したのが
・スゥィングル(Swingle)(Univ.California)
・田中長三郎(大阪府立大、台北帝大、東京農大)
によって行われています。
これからは、田中長三郎博士の分類に準拠しています。

初生カンキツ亜属と後生カンキツ亜属との違いは花が枝につく付き方によって分類しています。初生カンキツ亜属は花の軸に柄がある花が均等に多数つく総状花序(そうじょうかじょ)となっています。
後生カンキツ亜属は花の枝先に、花が一つだけつく単項花序(たんこうかじょ)となっています。
 
◇花序(かじょ):花の付き方を意味しています。
花の付き方は種類によってほとんど決まっています。
 
カンキツを発生学的に見れば、総状花序が先に現れ、後に単項花序が現れたとするものです。
カンキツは、さらに区に分類されます。
市中に出回っているカンキツは全て何れかの区に属しており、ちなみに「温州みかん」はミカン区に属しています。
(引用文献:Tanaka.T.1954 Species Problem in Citrus)
 
 
▼【人為分類】
 
これは、実用に供しやすい様に分類したものです。

◆人為的分類の方がなじみ易いと思いますが
現在、市場に出回っている品種を【自然分類】の亜属の下位にある「区」にあてはめて行きますとそれぞれの品種の関連が明らかになり興味深いものです。
 
原始品種、自然交雑によって発生した偶発品種、人為的に交配された品種などが明らかになってきます。
夏みかんはダイダイ区中果中間亜区に、ゆずはユズ区に、ダイダイはダイダイ区ダイダイ近似亜区房生類に分類されます。
また、デコポンは清見オレンジにポンカンを交配してできた品種で、清見オレンジはミカン区とダイダイ区の交雑品種であり、ポンカンはミカン区に属していますので、概ねミカン区でしょうか。
こんな七面倒な話はいいよ!
と言われる方も沢山おられると思います。
ただ、品種改良、品種固定に携わった方々に様々なドラマがあり、その方々の努力が子々孫々に伝えられて行きますと一つの歴史が醸成されています。
 
品種改良に携わった方々には、そのような逸話が語り継がれています……..

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